お客様事例
お客様事例
2009年3月2日公開
ノウハウをデータベース化して、ソリッドデータのひな型を作成したい。
そのためのシステム作りをUELに期待します。
プレス金型全般を試作から量産までトータルサポート
堀内テクノロジーは、1960年の創業以来、小物精密順送金型・大物絞り金型などプレス金型全般にわたって設計から製作まで対応しています。
2006年には試作部門も新設。試作からたずさわり早い段階からお客様へ提案し、量産金型までトータルでサポートすることで短納期を実現しています。
社員平均年齢は30代。若い人材が固定観念にとらわれず常に新しい技術・加工方法を意識して仕事しています。
面貼り機能の自由度の高さ
堀内テクノロジーでは、1997年に他社の3次元CADを導入、約一年後CADCEUSのPC版がリリースされてすぐCADCEUSを導入しました。
CADCEUSを選んだ理由の一つは、面張り機能が他のCADと比較して自由度が高かったことです。
当時を振り返り、堀内社長は言います。
「当初は3次元設計そのものがうまくいくか不安でしたが、ずいぶんと設計時間を減らすことができ、次々と仕事が入ってきました。
これからは3次元化ということを確信して、本格的にCADCEUSで3次元型設計を始めました。」
データ交換精度の良さ
面の延長・トリム・フィレット機能を活用して面を変形
2005年、CADCEUSからCADmeisterへ移行。
CADCEUSと比較すると、データベースがワークスペースではなくファイル形式になったことで、
データの保存やデータ交換がしやすくなったそうです。
3次元CAD導入時から設計部で3次元型設計をおこなっている部長の内山氏は、次のように言います。
「どこからきたデータでもCADmeisterではたいていうまく取り込むことができます。
他社CADでは取り込んだ面に手を加えられない場合があります。
また、CAMは他社製品を使用しているためデータ交換が必要ですが、CADmeisterからデータを出力するとしっかりとデータをCAMへ渡すことができます。
他社CADから出力したデータではCAMで面が抜けてしまうこともあり、せっかくモデリングがうまくできても意味がなくなってしまいます。」
さらに、「CADmeisterは
面の延長・トリム・フィレット掛け機能
が優れていて、製品形状を取り込んだ後、多少面の抜けなどがあったとしても、変形の自由度は高いです。
特に元面再生コマンドはよく使用しています。」
パラメトリック機能もうまく活用されているようです。
「ちょっとした修正をスムーズにおこなうことができ助かっています。
パラメトリックの操作に不慣れな頃は、再生エラーが起きて復帰できなくなってしまうこともありましたが、
ある程度のところで履歴を非パラ化するようにしてから使いこなせるようになりました。」
順送型に対応できるモデリング機能と、中小企業の意見も吸い上げたシステムを期待
プレスの中でも特に順送型を扱う堀内テクノロジーで必要とされているのは、
最終製品形状からサーフェスモデルを徐々に変形できるような機能や、 境界線が何本あっても折れのない面を自動で貼れる機能。
さらに、金型の強度向上を目的として、複数のフィレット面の合流部へ1コマンドで球面を作成後それを少しつぶすことができると助かるそうです。
また、社団法人日本金型工業会の活動も積極的におこなっている堀内テクノロジーは、浜松地域全体の発展にも力を注いでいます。
「中小企業の意見も吸い上げて、CADmeisterを良いCADCAMシステムにしていってください。」
ノウハウをデータベース化し活用する
「金型の標準化を目指し、誰が設計しても同じ金型を製作できるようにしたい」と語る堀内社長。
そのために、今後は社内のノウハウをデータベース化してソリッドモデルにノウハウを埋め込みひな型として利用していく予定とのことです。
「今が変革のときと認識しています。
3次元ソリッド設計をフル活用しない限り、今後金型屋として生き残っていけない。
ノウハウをデータベース化できるシステムは必須です。
但し、操作性や理解に優れ安価でなければいけない。
そんなシステム作りをUELへ期待します」
海、山、川、自然と街の調和する都市、浜松ES営業の鈴木です。
地域密着型の営業スタイルでお客様との距離感も非常に縮まり、株式会社堀内テクノロジー様とのお付き合いも早2年となりました。
最近は堀内様をはじめ金型工業会の皆様とも常日頃から思っている事を裏表なく率直に意見しあえる土壌ができてきました。
特に地域製造業の中でも、堀内様は常に多角的かつ先進的に物事を捉えられる革新的経営者であり、学ばせて頂くことが本当に多いです。
堀内様から現時点CADmeisterにおきましてモデリング機能には高い評価を頂いておりますが、金型の設計には悔しくもその評価をいただいていません。
これは、システムだけの問題ではなく自社や個人として、できていないことをともすれば、できることがまだたくさんあるということです。
お客様の課題に対しもっと深く一貫したお手伝い・相談窓口になれるよう、自社も個人も価値を高めていかなければいけないことを痛感させられます。
2009年2月、今日も世界史に残る大不況の中の1日であることを実感しています。
ただ、未来にこの記事を読み返した時にはお客様と互いにこの時を称えあっている日のことの方をより強く思い描きたいという気持ちでいます。
その為にも広義にこの景気問題を考えた時、願うべき2つのことがあります。
ひとつは浜松の企業はもう一度本気で海外市場に目を向ける必要があるということです。
過去の海外進出ブームによる失敗が各企業の海外進出を足踏みさせているという根底もありますが、
そんな過去を乗り越えて国際競争力の向上を考えることも重要です。
もうひとつは、国政がそれを支えることです。
これは国際競争力を高め外貨流入による国内企業の利益向上が国益につながるということを日本が考えて欲しいと私は思います。
そのような背景で狭義に私たち個人で考えた場合、特にITは今年から来年にかけ各社競合は質の高い情報提供と知識・アイデアの戦いになると思います。
私たちは良いプロダクトの提供のみならず、良い情報を持ち良いアイデアを考える良い会社であり良い営業として、社会に良い貢献をする。
そのような志を持って末永くお付き合いして頂けるよう粉骨砕身お客様の為、頑張りたいと思います。
新しい技術の開発に先進的に取り組むだけでなく、浜松地域全体を見据えた広い視野での幅広い活動をされていて、私も得るものが多い取材となりました。
会社のすぐ近くには鮫島海岸の水平線が一面に広がり、清々しい気分になりました。
真冬の寒さがとても厳しい日でしたが、その寒さにも関わらず波乗りをしているサーファーがいて、感心してしまいました。
取材担当 牧野