お客様事例
お客様事例
2008年12月24日公開
3次元CADを活用して20年超。
時代の波に乗りつつ、しかし、CADは昔も今も補佐役です。
4大事業のみならず、スバル地域交流会で幅広い活動。
自動車事業では4WDで「走る愉しみ」を追求。
富士重工業では自動車・航空宇宙・産業機器・エコテクノロジーといった主に4つの事業を展開しています。
中でも自動車事業が大きな割合を占め「スバル」のブランド名は広く知られています。
その外観から「てんとう虫」と親しまれ「大人4人が乗れる初めての軽自動車」として爆発的な人気を博した
「スバル360」の1958年の発売から半世紀経った現在も、「全ての基準はお客様にある」という方針のもとモノづくりをしています。
乗用車の4WDは富士重工業が日本で初めて売り出しましたが、今もなお4WD車製作を得意とし技術にこだわっています。
また、工場のある群馬県太田市周辺では、地域密着型の企業としても知られています。
「スバル地域交流会」という富士重工業とその取引先からなる組織があり、地域住民との相互交流・地域発展を図るため、
スポーツや各種レクリエーション、ボランティアといった幅広い活動も実施しています。
計画・検討でCADmeisterを活用。
プレス技術課で、各種システム導入検討等の主幹をされている工藤氏は、業務内容を次のように語ります。
「プレス技術課は、ひとことで言うと製造の準備をする部署です。
上流工程ではCATIAを使用して製品設計をしています。
私達はそれをデータ交換で受け取り、プレス板金部品としての成立性を検討したり、
プレスの工程計画を立てたりします。
それに加えてプレス成形シミュレーションを駆使しながらダイフェース造形をしてます。
このような作業をCADCEUS、CADmeisterでおこなっています。
そして検討した結果を上流工程である製品設計の部門へフィードバックすることで、品質向上と生産性向上を目指しています。」
ダイフェース造形モデリング可能なサーフェス機能とカスタマイズ性。
そして共に開発した実績のあるUELへの安心感。
富士重工業でのプレスダイフェース造形では、20年以上前から社内で開発したホストコンピューターベースの内製3次元CADを活用していて、
1990年代からはUNIXベースの内製CAD、
1990年代後半から日本ユニシス・エクセリューションズ(以下UEL)の3次元CADCAMシステムCADCEUSを使用しているとのことです。
内製CADの開発にも携わっていた工藤氏は、3次元CADシステムの変遷について次のように語ります。
「NCを出して金型切削することを目的として、早くから3次元化に取り組んでいました。
内製のCADはハードウエアとグラフィックディスプレイが別々で存在している環境で作りこんでいたのですが、
そのうち世の中ではハードウエアとグラフィックが一体化され、
ハードウェアの変遷にあわせた内製CADのメンテナンスに工数をかけるよりも、市販のCADを利用しようということになりました。」
そこで1996年に選定されたシステムがCADCEUSでした。ダイフェース造形モデリングをおこなっていたので、
サーフェス機能が優れているかどうかを重要視されたようです。
「ソリッド系システムは複数ありましたが、サーフェス系モデラとなると候補が限られましたね。
そして、それまで内製CADで積み上げてきたダイフェース造形に関するノウハウを継承できるようなシステムが
CADCEUSしかありませんでした。
カスタマイズできる点は大きなメリットです。
あとは、内製CADの開発でUELに協力していただいていて、システムの内部のこともよくご存知なので安心できた点も理由の一つです。」
誰でも直感的に操作できるデータベースと、Die-Layoutで工数2割削減。
2007年よりCADCEUSからCADmeisterへ順次移行中とのことですが、業務のプロセスを変えることなくスムーズにできているそうです。
移行のメリットとして、データベースがファイル管理になり、
CADCEUSのワークスペースと比較してどのデータを操作しているのかユーザが直感的に分かりやすくなった点をあげています。
またCADCEUSはUNIX版を使用していたためシステム管理ができる人が限られていましたが、
CADmeisterはPCベースであり、誰でも抵抗感無く操作でき、運用面でも効果があったそうです。
さらに今後はダイフェース造形工数が2割削減できる見通しとのことです。
「単純なモデリングはシステムで自動化したり、一度作ったものを再利用したいと考えています。
CADmeisterへ移行した一番のねらいがこれです。
特に最近Die-Layout(以下DL)を導入したのですが、
従来のコマンドに加えてDLを活用することで、部分的には単純作業化できそうです。
DLの導入で削減される工数は、品質向上のために解析作業にまわしたり、手戻りのないものづくりのための検討作業にあてたいと考えています。」
システムの完成度の向上、カスタマイズ環境の拡大と情報をオープンにすること。
「CADmeisterはまだ若いためか、システムとしての完成度が低い部分があるようです。
特にCADCEUSでは問題なく動作していた機能がCADmeisterではうまく動かないケースがあるので改善して欲しいです。
これは切実な願いです。
また、カスタマイズできる環境をもっと広げて欲しいです。
現在スクリプトベースのコマンドはカスタマイズできますが、
比較的新しいコマンドにはユーザがカスタマイズできないものもあるので、今後は可能になるよう期待します。
最後に、情報をオープンにすることをお願いしたいです。
富士重工でも常にCAD機能の改善を進めていて、UELでもCADmeisterバージョンアップをおこなっていますが、
同じ方向に向かって改善しているのか心配になる時があります。
ですので、開発計画や不具合情報はこまめに提供してほしいです。
さらに、他のユーザ様から出ている要望なども知りたいです。
他の人に言われて始めて気付く要望もありますので。」
プレス技術課のある太田市の本工場は、UEL東日本営業所が近いこともあり、サポートは行き届いているようです。
「月一定例会では、情報交換の他、機能改善の提案などを行っています。
業務中に質問などあれば、直接フィールドSEを呼んで対応していただいているので、助かっています。」
CADはサポートツール
「ダイフェース造形CADに携わって20年、システムの良いところを活かしつつ現在に至りますが、
当時も今も変わらないのはCADはあくまでもサポートツール、という信念です。
製品の生産性・各種検討のチェックツールとしてCADを利用するのであって、CADが前面に出てくるような仕事をしてはいけません。
特に若い人は、CADでモデルを作ることがメイン業務のように勘違いしてしまうことがありますが、
CADモデルをその後でどのように活用するかが重要だということを認識して欲しいです」
ホストコンピューター、UNIX、PCというシステムの変遷に伴い、システム管理者として試行錯誤してきた工藤氏。
エンジニアのあるべき姿について、穏やかな口調と熱い眼差しで次のように語ってくれました。
「エンジニアがやるべきことは、製品がものとして成り立つかどうかを検討したり、
どういった工程組みが適切なのかを考えたり、生産性を向上させたり、ワレ・シワが起きないかを解析したり、
不具合の無いものづくりをするためにどうしたら良いか検討すること。
この結果を製品設計にフィードバックすることで品質向上につながりますし、新たな生産技術開発にもつながっていきます。
業務の幅は広いですが、我々が検討した結果が実際モノの品質に反映され、生産性に直結するという意味で大変重要な任務を担っているのです。」
東日本営業部の遠藤です。
富士重工業様とのお付き合いは数ヶ月間と期間は短く、まだまだこれからと言ったところですが、
スバルファン&ユーザーの私としては非常に楽しく仕事をさせて頂いております。
今回は普段の営業活動の中ではお聞きすることのできない様々なお話を伺いましたが、
特に「CADはあくまでもサポートツール」というお考えが、非常に印象に残りました。
今後はその信念を尊重させて頂きつつ、更なる有効活用ツールとしてご利用頂けるよう、
CADmeisterを始め様々なプロダクトのご提案を考えておりますので、今後とも宜しくお願いいたします。
写真は、私の子供がお世話になっている少年野球チームの練習時に撮ったものです。
今はオフシーズンですがシーズン中の週末は子供達と一緒に汗を流したり
(最近出始めてきたお腹を引っ込めることが主目的ですが。。。)
試合の応援に声を張り上げています。
ここ数年間は子供達の迷プレー・珍プレーそして当然の事ながら好プレーに一喜一憂できる週末が何よりの楽しみとなっていますv^^
私の周囲でもスバル車フリークの人は多く、水平対向エンジンやCVTの話はよく聞いて(聞かせられて?)いましたが、
実際に富士重工様を訪問でき、スバル360も生で拝見でき、貴重な体験ができました♪
UEL東日本営業所を訪問した日の業後は、営業所裏のお店へ行くのがお決まりのコースです。
このお店は冬になると「もやし鍋」が始まります。
あっさりもやしと豚肉の組み合わせがとても美味しいのでいつも必ず注文していて、最近は「カレー鍋」もできたということでさらに楽しみにしてたのですが、、、
その日はお店の定休日でした。。。残念。
食べ損ねたカレー鍋(コロッケのトッピング付き)
取材担当 牧野