PLMとの連携によりIMDSデータ作成工数を70%削減

2024年10月8日公開

豊田鉃工株式会社では取引先への製品含有化学物質情報提出の必要性が高まる中、グリーン調達マイスターを導入した。 導入前は専任者5名(5人工)でIMDSデータの作成を行っていたが、導入後は専任者1名、兼任者1名(1.5人工)で対応可能となり工数を70%削減することができた。

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会社概要


技術開発本部 製品化技術部
技術管理室 第2グループ

稲垣 伸也 様


技術開発本部 製品化技術部
技術管理室 第2グループ

吉田 光男 様


技術開発本部 DX・IT推進部
DX推進室

内山 裕介 様


生産技術本部 プラント環境技術部
環境企画室

菊永 英夫 様


生産技術本部 プラント環境技術部
環境企画室

水野 幸太 様

ユーザー様紹介

豊田鉃工株式会社は1946年の創業以来、自動車部品の生産に一貫して取り組んでおり、国内外で鋼板、樹脂を中心とした部品を製造しています。 また、長年の自動車部品製造で培ったトヨタ生産方式を活かし、“食”を通じた持続可能な健康社会づくりとして完全人工光型の植物工場でのベビーリーフの水耕栽培や、誰もが自由に移動できる社会への取り組みとしてパーソナルモビリティの製造、開発にも挑戦しています。

導入前

導入後

導入の経緯

製品含有化学物質管理規制の高まりにより、管理工数の増大が見込まれた

豊田鉃工株式会社では製品含有化学物質情報を管理する部署が設置されており、専任者5名で顧客から依頼を受けた部品を対象にIMDSを中心とする規制への対応を行ってきた。 世界的な製品含有化学物質管理規制の高まりにより、2018年に全部品を対象とすることになり、システム導入を本格的に検討開始した。 PLMの担当部署ではかねてよりシステム化の検討を進めており、IMDS対応、PLM連携、そして、国内外の21拠点を管理できるようグローバル対応が可能なことを条件としてグリーン調達マイスターが選定された。

「製品含有化学物質情報の管理のきっかけは、環境に関するさまざまな取組を進める中で管理の重要度が高まってきたことです。 関連する各部署から選抜されたメンバーが集まり、業務分担の明確化及び業務フローの確立、効率的にIMDSデータを作成するためのシステム導入を目指して、プロジェクトとして活動を開始しました。」(菊永氏)
「システムを自社で開発することも考えましたが、運用開始後の規制改定への対応が問題でした。 グリーン調達マイスターは私たちの選定条件を満たすだけでなく、規制改定の対応もUELが行ってくれます。 そして、自社開発よりも3ヶ月早く立ち上げられることが決め手となりました。」(内山氏)

取り組み・効果

導入直後にIMDSデータ作成工数を35%削減、カスタマイズによりさらに35%削減できた

トライアル版を使用して準備を進めたことで、導入直後から運用を開始することができた。 「IMDSからダウンロードした部品データの再活用」「部品データの適合判定」「PLMの部品表と構成情報を連携したIMDS送信用ファイルの自動生成」により、IMDSデータ作成工数を35%削減した。導入1年後には、さらなる効率化を目指してカスタマイズを実施、その後も定期的なカスタマイズによる改善でIMDSデータ作成工数をさらに35%削減した。 これにより、導入当初と比較して合計70%の工数削減を達成した。 また、IMDSデータの自動生成(手入力廃止)を進めたことで入力ミスや入力漏れが無くなり、データ品質が大幅に向上。 お客様での適合判定で不適合となることが無くなり、IMDSデータの修正、再送信に掛かる工数も削減できた。 現在は2名(専任者1名、兼任者1名)で毎月約100件の対応を行っている。

「PLMでは材質や副資材は属性情報として扱われており、製品の構成データとして自動連携できない問題がありました。 導入当初、これらの情報は手入力していたのですが、材料データとして自動的に関連付けるカスタマイズを行いました。 それらの改善により、さらに35%の工数削減になりました。」
(稲垣氏)

部品構成データ自動連携のカスタマイズ機能
部品構成データ自動連携のカスタマイズ機能

今後

適合判定結果をPLMにフィードバックすることで全体最適化へ

今後、取り組んでいきたいことは3点ある。1つ目は、仕入先より入手したIMDSデータ、顧客に提出したIMDSデータの適合判定結果を、IMDS→グリーン調達マイスター→PLMの流れでフィードバックすることである。 これにより、IMDSを扱う社内部署で不適合となったIMDSデータの使用を防止し、顧客要求品質を満たさないIMDSデータの流出を未然防止できる。 2つ目は、PLMに加えてその他の社内システムともグリーン調達マイスターを連携させることで、そのシステムにしか存在しない情報を用いて、さらにIMDSデータ作成の自動化を進めることである。3つ目は、取引先独自基準の判定条件更新をグリーン調達マイスター側で対応できるようにすることである。 グリーン調達マイスターの標準の適合条件(ELV指令/REACH規則など)は業界団体の規格改定から約1週間で更新されるが、取引先独自の基準については環境企画室が改定資料を確認しながら手動でグリーン調達マイスターの適合条件を更新している。
「コールセンターやSEの対応が早くいつも助かっています。今後もUELと共同で改善を検討しながら、さらに効率化を図っていきたいと考えています。」(稲垣氏)

左から 吉田様、稲垣様、内山様、水野様、菊永様、UEL 川村

2024年5月取材
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