IoTの動向と金型への取組み
IoTの動向と金型への取組み
2018年1月に開催しました弊社主催セミナー「ものづくりソリューション展in広島」での講演「IoTの動向と金型への取組み」について、講演内容から一部抜粋してご紹介します。
目次 ■ 概況:IoTによる製造業の新たな展開 ■ IoTシステムを形作る全体像 ■ 金型関連のIoT ■ 「かしこい金型研究会」 ■ かしこい金型の例 ■ かしこい金型IoTシステム構想イメージ |
センサー技術やコンピューティング能力の発達に伴い、ものづくりの世界でもIoT(Internet of Things、モノのインターネット)やビッグデータ解析を通じた大きな変革が起きつつあります。
急速な技術革新によって、データの蓄積と活用の幅が拡大しています。
データ収集、解析、処理というサイクルの中で新たな付加価値が創成され、競争領域が変化してきています。
[IoTやビッグデータによる新たなビジネスサイクルの出現]
出典:ものつくり白書2015版 経済産業省
IoTシステムは、「モノ」 からデータを収集する役割と、データを蓄積・分析する役割、分析した情報を利活用して業務効率の向上を目的とする3つの層に分類することができます。
データの収集、蓄積・分析を担う層は、 IT基盤ととらえることができます。
[IoTシステム全体像]
IoTは金型関連でどのように活用できるでしょうか?以下のような適用が考えられます。
IoTを利用して金型状況を見える化しPhysical(現物世界)での実データを、システム上=Cyber(仮想世界)へフィードバックして各種解析、評価を重ねることで設計品質の向上が見込まれます。
[プレス金型関連IoT例:設計の最適化]
センサーやカメラにより量産設備、金型の各種データを蓄積し、トライ設備との差異を認識して補正に活用することができます。
[プレス金型関連IoT例:トライ補正の最小化]
・物言わぬ金型(鉄の塊)を、かしこい金型にしたい。
・日本の金型に、一段上位の付加価値を付けたい。
・世界のIoT化への流れに、金型業界も参画させたい。
といった目的で、2016年1月に株式会社クライムエヌシーデー様が主体となって「かしこい金型研究会」が設立されました。
かしこい金型とは、
・危険状況や生産品の不具合等を検知し、自らで即応処置出来る金型。
・危険状況や生産品の不具合等を検知し、緊急警告を発することの出来る金型。
・自らの出生や過去の不具合、生産動向及びメンテ情報の履歴を蓄積し、そのデータを告知出来る金型。
と定義します。
かしこい金型にするため、具体的には、
・センサーを活用して金型のリアルな状況をデジタル化する。
・デジタル化された情報を活用して付加価値の高い金型製作を可能にする。
といった施策が考えられます。
[かしこい金型 概念]
かしこい金型IoTシステムのイメージは、将来的に例えば以下のようにつながることを構想しています。
[かしこい金型 概念]