お客様事例
お客様事例
2018年10月23日公開
株式会社IBUKIはプラスチック射出成形金型製作の中でも、特に大型への加飾加工技術を保有している。
15年程前に3次元CADを導入し、確認作業が図面から3Dデータになったことで、設計業務はもちろん後工程のCAM/加工部門においても、不具合の事前検知ができるようになり、作業効率をあげることができた。
現在は、金型の熟練設計者の知見を蓄積し、CADmeisterと連携させることにより「誰が設計しても同じ構造、同じ品質で設計できる」仕組み作りに取り組んでいる。
株式会社IBUKIはプラスチック射出成形金型製作の中でも加飾加工、特に大型への加飾加工(成形)技術を保有しているのが特徴です。
加飾加工は小型であれば加工されているメーカーも存在しますが、大型になると難易度が増しその数も限られます。
そのため、IBUKIではお客様が求めるイメージに近い状態を具現化する為に、小型金型に加工/成形したサンプルをお客様に確認して頂くことも行っています。
小型〜大型の成形機を所有し、様々な加飾(デザイン)や成形材でノウハウを貯蓄して提案型企業を目指しています。
金型メーカーとしては稀だと思うのですが加飾成形サンプルをデザイナー向け展示会にも出展するなど、従来の金型メーカーの枠を超えた活動を行うことで新たな価値を見出せるのではないかと考えています。
さらに、山形の伝道師として、山形の特産物や温泉などを楽しんで頂くなど、山形へ足を運んで頂けるような活動も行っています。
山形の良いとこや美味いもの、そしてIBUKIの技術をぜひ見て頂きたいです。
15年程前になりますが、当時2.5次元のCADを使用していたのですが、顧客ニーズに合わせ3次元化を目指して新しいCADを検討しました。
それまで3次元CADの使用経験が無かったのでサポートの充実性や日本人向けの操作性などを考慮し、国産の(当時の)CADCEUSを選定しました。
設計使用CADで3Dモデルが作成出来なかったので、形状を作成するのはCAMによってのみでした。
当時形状を確認するのは、放電加工用の電極もしくは成形品といった、製品を作った後でなければ善し悪しが分からないという状況でした。
3次元CAD導入時は、ドラフターや2次元設計が長かった設計者は3次元化に対し抵抗があるようでしたが、若手設計者や3次元設計から入った設計者は特に苦手意識もなくすんなり移行できたように記憶しています。
設計者が3次元CADを使用するようになった事で、設計業務はもちろん後工程でも効率が上がりました。
具体的には、確認作業が図面から3Dになった事で、形状や構造が分かり易く不具合を事前に検知出来るようになりました。
また、CAMへの3Dデータ支給となった事で設計者の意図が伝わりやすくCAM工数の削減にも繋がりました。
加工や仕上げ工程でも同じで、3Dで金型の形状を確認できる事で加工もれや不良を発見しやすくなりました。
現在はCADmeister8台を使用し、3次元化と共に流用設計などにも取組むなど、全て3次元設計で活用しています。
金型設計者の知見の共有化がポイント。
現在は顧客ニーズに対応する為、多種多用な製品の金型を設計する必要があります。
一部の設計者はノウハウを持っていても他の設計者は経験が浅く、初めての製品の設計を行う際には戸惑ってしまうことが多々あります。
そこで、設計者の知見を蓄積しCADと連携させる事によって「誰が設計しても同じ構造、同じ品質で設計できる」仕組みを作って行きたいと考えています。
そのために、まず金型設計を行う際の設計者の作業分析を行いました。
どの作業をどのような手順で実施し、何を元に判断し形状を特定しているのか?徹底的に分析しました。
それらを特定の金型だけではなく、多種多用な金型に対して実施することで様々なパターンの金型設計に適用できるものと考えています。
また、部品においては単に標準化(規格化)するのではなく「何故その部品を選択したのか?なぜそのサイズにしたのか?」その根拠をデータ化する事で、たとえば違った製品の設計になっても根拠を元に判断できるような仕組みにしていきたいと考えています。
現在は分析結果をデータ化しCADmeisterと連携して設計ができる仕組みの構築を行っています。
将来は、データ分析やAI技術と連携し設計者の判断の根拠を知財化できれば、自動設計の実現も可能になると信じています。
いつもうちの設計者からの相談にのって頂きありがとうございます。とても良いフットワークで対応頂きとても感謝しています。
私達は現場からの要求を伝えることがCADメーカーに対するフィードバックに繋がると考えています。
今まで通りの関係性を維持できていることが、CADmeisterを使い続けている理由になっていると感じています。
今後、更に高度な要求をさせて頂くことになると思いますのが日本のCADとして進化し続けて欲しいと思います。
2018年8月取材
※記載の会社名、製品名は、各社の商標または登録商標です。
※自治体・企業・人物名は、取材制作時点のものです。